LIFE ON THE REFRIGERATOR DOOR
"LIFE ON THE REFRIGERATOR DOOR" ALICE KUIPERS / MACMILLAN
冷蔵庫に貼ったメモ。
このやりとりだけで、この本は進んでいきます。
「牛乳買ってきて」「おこづかいちょうだい」「うさぎの世話を忘れないで」……
なにげない、母娘の日常のコミュニケーション。このメモのやりとりは母と娘の二人だけ。これだけで母子家庭であることがわかります。
クレアは16才、産婦人科に勤める母と二人暮らし。学校に通うクレアと忙しい母はいつもすれ違い。唯一のコミュニケーション手段は冷蔵庫に貼ったメモ。
多感な時期を過ごすクレアは、いつもそばにいない母親に気持ちが伝わらず、反抗的な態度をとることもあります。
母親は、わずかな時間でもクレアと話そうとするも、クレアは学校の行事で忙しかったり、友達と遊びに行ったりでなかなかつかまらない。
仕方なく、冷蔵庫のメモで、必要事項だけ伝えます。
「ママ、Aとったよ」「彼から電話あったわよ」「10ドル置いといて」……
ある日、クレアはちょっと心配なメモが冷蔵庫に貼ってあるのを見つけます。
「ママ、お医者さんの予約とったの、明日検査に行ってくる……」
メモはいつしか、お互いの伝えきれない気持ちを書く手紙のようなやりとりになっていきます。そして、感動的なラストへと続いていくのです。
「メモ」と「メモ」の間になにがあったのかは描かれていません、でもメモの中から伺いしる事ができます。どんな事があったのか想像しながら読むのも、この本の醍醐味です。
ちなみにこの本は日本語訳が発行されていません。でも、簡単なメモのやりとりだけで書かれているので、きっと読めます。ぜひ、チャレンジしてください。